文芸処・椋岡屋

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作品集

掲載日:2009年04月20日

★難破船~逸脱した鉄路~

あとがき

 中島みゆきさんのアルバム「日-WINGS」を初めて聴いたのは2006年夏なのですが、収録されている「難破船」を聴いたとき、 福知山線脱線事故の事が脳裏を過ぎりました。事故列車運転士が死亡し、真相の解明は困難になっていますが、 運転士に「難破船」に似た感情がどこかにあったのかも……と思わずにいられませんでした。

 実際に運転士がどう思ったのかは、もはや知ることは出来ませんが、客観的に見て事故列車運転士が思ったであろう事を、「難破船」に乗せて書いたのがこの作品です。

 作品を書いたのが2006年9月のため、その後の調査で分かった事が反映されておりませんが、書いたこととだいたい似た境遇での事故であったようです。 最終的には、事故列車の運転士は「被疑者死亡のまま書類送検」という処分を受けています。


 閑話休題。

 アルバムの「難破船」を聞き込んで、頭の中で話を組み立てていたのですが、その後、夜会Vol.10「海嘯」を観て、「難破船」が水上繭が復讐をするために、 ロサンゼルス行きの飛行機に乗った時に歌った曲である事を知って、唸ったのは言うまでもありません。ファンとしてはまだまだ未熟のようです。

 ということで、今回は少し強引だったかもしれません。でも、これを書く本当のきっかけというのが、 やはり中島みゆきさんの「4.2.3.」に触発されて書いた「そのとき」であるのは、意外な発展だと、書いた本人も思っています。

 尚、作品自体は、2006年9月23日に「みゆいつNight Vol.1」にて限定頒布しており、それ以外の場では頒布しなかったのですが、 福知山線脱線事故を風化させない意味でも、椋岡成美の見解を発表することになりました。

 発表当初は駅名をイニシャル表記していましたが、どの事故の事を書いたのか容易に想像できるので、作品集再構築の際、駅名を実名に変更しております。 作品公開に当たり快諾いただいた、「気刊☆みゆきさんといっしょ」刊行者のももゑさんに感謝いたします。


 最後になりましたが、福知山線脱線事故で亡くなられた方々(お客さま)へ哀悼の意を捧げます。