文芸処・椋岡屋

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うらばなし

★ネーミング

 小説書きに100の質問でも答えていますが、椋岡の作品に出てくる登場人物のネームは、 「駅名、地名、携帯電話」を利用して付けています。


 名字で圧倒的に多いのが駅名。名字になりそうな駅名を拾って、それにアレンジを加える事もあり、拾ってくるエリアもいろいろとあります。 「うらばなし」ということで、せっかくなので、主要作品の登場人物の名字のルーツを紹介しましょう。


 現在絶賛全面改定中の「聴け、蒼天の詩を」の登場人物の多くは、東急を中心にした関東エリアと、 名鉄を中心にした中京エリアの駅名の率が高いです。 あ、希望のぞみちゃん&利緒さんの小杉姓は東急の武蔵小杉駅から拝借したのであって、 北陸本線の小杉駅ではないですよ~(もっとも、川崎駅西口バスターミナルから発着する、武蔵小杉駅行きのバスの表示が「小杉駅」だったりするんですが)。

 重要登場人物の宮浦誠くんは、「雪の天使」で先に登場した関係で、他の面子と異なって、京浜東北線の車両の旧所属標記の「宮ウラ」 から来ています。「宮ウラ」はJR東日本大宮支社浦和電車区(運転士も所属)の略称だったのですが、2015年3月16日付で「さいたま車両センター(宮サイ)」に組織変更となり、 この所属標記も過去のものとなりました。後で知ったのですが、宮浦港という港があるそうで、それでATOK2013では一発変換出来たようです。

 全面改訂版で登場する大森電車区区長の柴崎さんは、京王の柴崎駅と見せかけて、実は多摩都市モノレールの柴崎体育館駅。 正しくは、立川市内の町名からの拝借ですが、柴崎体育館駅はズバリ、立川市柴崎町にある市民体育館の目の前(爆)。希望ちゃんの師匠である片倉さんは、 先に「Lament」で登場していてる関係で、横浜線でも八王子市内にある片倉駅並びに京王の京王片倉駅ではなくて、 当時住んでいた横浜市内を走る、横浜市営地下鉄の片倉町駅の方だったと思います。 どうやら、拝借する駅名(エリア)にも居住地が影響するみたいです。

 もちろん、駅名や地名とは関係しない名字の登場人物もいまして、主要登場人物では、希望ちゃんの親友の河合志穂ちゃん、直営病院精神科の工藤先生、 脇役的な存在では、社会派の色を含めた部分で登場する会社関係者、利緒さんの同僚(指導主任や趣味仲間)関係に多く見られます。


 「聴け、蒼天の詩を」では、社内吹奏楽団関係者が色々と登場するのですが、他の作品で先に登場している関係で、名字のルーツも色々と異なっています。

 宮浦くんと共に「雪の天使」などにも登場するクラリネットパートでも、矢口くん、新田くん、沼部くんは東急目蒲線(現在の東急多摩川線側)の駅名から拝借していながら、 沢渡美奈ちゃんは横浜市営バスのバス停

 内海政樹くんは、同人サークルに属していた時に発表した「海の歌」(後に「恋の遺失物預かり所」に改訂・改題)の主人公で、 その頃のネーミングルールに則り名鉄の内海駅から拝借し、後に奥さんとなる大橋真里奈さんも東急の池尻大橋駅から拝借。 本牧駅務区の面子でもある、吉岡正之くんと末恒円香ちゃんは鳥取県鳥取市の地名で。駅名や地名と直接関係ない名字となると、大倉涼子ちゃんぐらいで、そういう意味では、 本牧駅務区の面々で社内吹奏楽団に直接関係しない、運輸担当助役の飯田さん、脇役の深沢くん、早川くんが、むしろ珍しい方かも。 ちなみに、初期作品「あの大地はどこ~?」に登場するマネージャーの秋津さんは、武蔵野線の新秋津駅から拝借。西武ではなくて武蔵野線というのも、 椋岡の趣味が出ております(爆)。


 その他の作品となりますと、臨海線営業所シリーズでは、枚方俊之くん改め、枚方博史くんと、初期作品「最後の夏」の登場人物が京阪の駅名から拝借した割には、 それ以外の臨海線営業所の面々は、吹奏楽コンクール課題曲の作曲者の名字を拝借している人物が圧倒的多数。おそらく、 「シリウスの涙」のラフを考え始めた2001年頃に吹奏楽コンクール全国大会の鑑賞を再開したのが、臨海線営業所の面々の名字に影響したのだと思います。

 それでいながら、同じ枚方くんが主人公の「Lament」の登場人物で、大森電車区の面々(宮浦くんや片倉さん、脇役の希望ちゃんを除く)は、 根岸線の駅名からの拝借なんですよね。それだけ、根岸線の駅名は名字になりやすいのでしょうか。

 「一輪の花」は書いた当時でいう営団地下鉄の駅名と東京都交通局の駅名から拾い、「異境の鐘」の多くは、 横浜市営バスのバス停から拾いました。 ただし、途中に追加になった人物は例外であることが多く、「異境の鐘」では、伊東くん(主人公の弟の友人で、メトロ東京関係者)と、 枚方くん(主人公の友人として登場)だけが浮いてしまう形になりました。「雪の天使」は横浜市営地下鉄の駅名が多いのですが、 「よくよく見れば、それは椋岡の知り合いに似ているのではないか?」疑惑が出てくる名字も多いです(汗)。

 毛色が変わったのでは、初期作品「夏煙の恋」の東急ハンズ店舗シリーズでしょうか(爆)。こもり場で登場人物の名前を考えていた時に、 隣に座っていたご婦人が持っていた東急ハンズの紙袋を見て、ひらめきました。

 「湖山長者狂詩曲」と言った、海岸線や臨海線営業所に直接関係しない作品でも、だいたい似たような傾向でのルーツになっており、いかにして、椋岡が登場人物の名字を考えるのに、 駅名や地名を頼りにしているのかが分かると思います。これを打ち込んでいる当の本人が撃沈しています、はい。

 ちなみに、多摩川高速鉄道やメトロ東京に全く関係しない、震災プロジェクトこと「線路よ輝け、未来へ」の登場人物ですが、作品中に登場する吹奏楽サイトの管理人以外は、 駅名や地名に関係しない名字ばかりなのは、鉄道を趣味にされない方々にもお手に取って貰えるように、ごく普通の名字にしたのだと思います。いかんせん、 パソコン内に残っている設定資料が乏しいので、断言出来ないのが何とも。


 「聴け、蒼天の詩を」全面改訂版では、今まで書いた作品の登場人物もゲスト出演するため、名字の方向性が異なる面子が登場します。 たとえば、希望ちゃんの車掌区時代の先輩である尾上くんは、「異境の鐘」の主人公の弟の尾上くんで、「異境の鐘」での人物設定を生かした形で登場。 作品中には直接出てきませんが、枚方くんの転入や片倉さんの異動に関係する情報提供役に、密かに臨海線営業所の面子が関わっており、 その面子も先に発表している作品での人物設定を生かしております。


 さて、名前の方ですが、希望ちゃんと利緒さん、お父さんの品川道生さん、恋人の奥沢隼人くん、小牧隆之くんは最初から決めていましたが、 その他の登場人物は思いつきで付けた方が多いです。

 最近活用しているのが、携帯電話。特に漢字を決めるときに、適当に名前を入力して、候補に挙がってくるものから選んでいます。そのため、携帯では変換されるのに、 パソコンのIMEでは変換してくれないこともあります。もっとも、ATOKは固有名詞に強いので、あまり聞かない名字・名前でも普通に変換しています。 さすがに希望ちゃんは辞書登録して……いましたが、ATOK2013に変えたら、なんと変換候補にありました。それも、 インストールをして辞書も引き継がずに真っ新な状態で入力して、14番目に表示されたので、軽くビビリました。この項目を更新するのにあたり、 2014年8月中旬にMS-IMEでも確かめたところ、希望ちゃんと共に、利緒さんも変換候補にありました。その割にはMS-IMEには道生さんの名前を見つけられなかったのですが、 どっちにしても、最近の入力アシストを見ると、時代の流れを確実に捉えて、ある意味、怖いものがあります(苦笑)。

 世間ではキラキラネームという言葉があり、一つの読みで様々な漢字が割り当てる傾向が強くなり、何かとクレームが付く今のご時世、 ちょっと癖のある登場人物のネーミングに悩む時代とも言えそうですね。人気のある名前や漢字表記を避ける意味で、名付け辞典が必要になったのはあながち間違いないかも。


 で、「聴け、蒼天の詩を」の登場人物のネーミングが非常に紛らわしいのは、発案したのが「感熱紙印刷前提のワープロ」が主流だった頃でして、 そのときは深く考えていなかったんですね。書き進め(書き直して)いくうちに、登場人物が増えてきたので、混沌としてきた次第。だからと言って、 今更変える訳にもなりませんし(特に、希望ちゃんに深く関係する二人の登場人物)。利緒さんと道生さんの話を考えていると、どっちの発言なのか書いている本人からして、 時々こんがらがることがあります。


 サークル10周年記念作品「蒼色の笛」の副産物的な企画になりましたが、この先、書きたいと思っているテーマの作品については、 今までに登場してきた人物で構成しようと考えているので、ネーミングには悩むことはないのかな?と思っていますが、実際にはどうなりますやら。


*サイト内のリンクからこちらに戻る時は、ブラウザの「戻る」をご使用下さい。 駅名や地名、路線名、浦和電車区で検索してヒットしてしまった方、全く関係ない話でスミマセン。